本記事では、お子さまの歯列矯正にかかる費用と開始時期について、保護者が抱きやすい不安を整理し、段階別の費用構造と、納得できる判断のために必要なポイントをわかりやすくまとめます。
「成長期の矯正は高いから、大人になってからでもいいですか?」
「費用の幅が大きすぎて、何が正解かわからないです」

お子さまの歯や顎の問題で悩む保護者にとって、最大の心配はやはり **「費用」と「タイミング」**です。
今この時期を逃すと、将来的にもっと費用がかかるのではないか。早すぎる判断ではないか。迷いは尽きません。
この記事では、成長期矯正の段階別費用のしくみから、保険適用の現実、そして見落としがちな追加費用まで、保護者目線で整理してお伝えします。
1.うちの子に「今」矯正が必要な理由は?

「成長期矯正の時期と費用」を考えるとき、最初にぶつかるのは「本当に必要な治療なのか?」という根本的な疑問です。
子どもの顎や顔の骨は、成長期に大きく変化します。この時期に見られる 受け口(反対咬合)・出っ歯・重度の不正咬合は、見た目だけの問題ではありません。
不正咬合が強いと、食べ物を噛みにくい、発音が不明瞭になる、顎関節への負担から頭痛や顎の痛みにつながることもあります。
韓国の歯科矯正学会は、7〜12歳を早期矯正の適切な時期として推奨しています。成長期矯正は、まさにこの時期を利用して、顎の成長方向を望ましい方向へ導く治療です。いわゆる「ゴールデンタイム」と呼ばれる理由は、成長期を過ぎると同じ原理での治療が難しくなるためです。
成長期矯正には大きく2つの目的があります。
1つ目は 上下の顎の成長バランスを整えること、2つ目は 永久歯が正しく生えるためのスペースを確保することです。
この早期介入により、将来的に外科的処置を伴う治療を回避できる可能性が高まったり、抜歯をせずに矯正できる可能性が広がったりするなど、より負担の大きい治療を予防することにもつながります。
成長期矯正が必要かもしれない主なサイン(チェックリスト)
- 口を開けて寝る/いびきが強い
- 下顎が上顎より前に出て見える(反対咬合)
- 前歯が大きくガタガタして生えている
- 歯のすき間が多すぎる/上下の前歯が噛み合わない
- 指しゃぶり・舌を出す癖がある
2.成長期矯正は、大人の矯正より高い?

成人矯正は成長が止まった顎の中で主に歯並びを整えます。一方、成長期矯正では、歯並びの前に **顎の成長を調整する「一次矯正」**が加わることがあります。
この一次矯正だけで不正咬合が改善したり、二次矯正が軽くなることもあります。
成長期矯正は一般的に、**精密検査 → 一次矯正 → 二次矯正 → 保定(リテーナー)**に分かれ、各段階で費用が発生します。
※以下の金額は、原文の韓国基準(万円表記)をそのまま反映した目安です。実際の費用は医院・地域・症例により異なります。
- 精密検査:20〜40万円
- 一次矯正:100〜300万円
- 二次矯正:装置の種類により300〜800万円
- 保定装置:30〜80万円程度
治療が段階に分かれるため期間が長くなる可能性はありますが、「必ず高い」とは言い切れません。一次矯正で顎の問題が改善すれば二次矯正が簡略化することもあり、将来的に外科的治療が必要になるリスクを下げられる可能性もあります。
そのため、費用比較は 総額だけでなく、治療の目的と長期的な負担(リスク)まで含めて考えることが重要です。
【成長期矯正:段階別費用構造】
| 段階 | 目的 | 平均費用(万円) | 装置の例 | 含まれる/別料金になりやすい項目 |
|---|---|---|---|---|
| 精密検査 | 状態分析・治療計画 | 20〜40 | レントゲン・口腔スキャン | 何が検査費に含まれるか要確認 |
| 一次矯正 | 顎成長の調整・スペース確保 | 100〜300 | 顎整形(機能的)装置 | 月々の管理費が含まれるか |
| 二次矯正 | 歯列・咬合の仕上げ | 300〜800 | メタル・セラミック・セルフライゲーション・舌側・マウスピース等 | 抜歯・ミニスクリューが別料金のことも |
| 保定装置 | 後戻り防止 | 30〜80 | 固定式・可撤式 | 紛失・破損時の費用/保証条件 |
3.矯正費用は健康保険や民間保険の対象になりますか?

保護者が最も気になる「保険適用」について、現実的な答えは 一般的な歯列矯正は健康保険の対象外となることが多いという点です。美容目的と判断されるケースが多いためです。
ただし例外として、極めて重度の不正咬合、口唇口蓋裂など先天性疾患のように治療目的が明確な場合には、一部の項目で保険適用となる可能性があります。
また、民間の医療保険(子ども保険・歯科保険など)で診断費が一部補償される場合もありますが、多くの約款では自由診療の歯科治療、特に矯正治療が補償対象外となっていることが少なくありません。
そのため、基本的には 自己負担を前提として計画を立て、契約前に必ず約款を確認することが重要です。
4.見落としがちな追加費用と、必ず聞くべきこと

矯正相談で「総額」だけを聞いて契約すると、あとから追加費用が発生して驚くことがあります。不要な出費を防ぐためにも、相談時に確認するポイントを整理しておきましょう。
① 「保定装置の費用は総額に含まれますか?」
保定装置は後戻りを防ぐために重要で、多くの場合必ず必要になります。固定式/可撤式で費用が変わり、破損時に追加費用が発生することもあります。
② 「抜歯やミニスクリューの費用は別ですか?」
歯列を整えるために抜歯やミニスクリュー(小さなネジ)を使う場合、別料金となるケースが多いです。
③ 「月ごとの診察料(管理料)は別ですか?」
総額に含まれる包括料金か、毎月別途支払う方式かで負担が変わります。
矯正相談で必ず確認したい「5つの質問」
- 総額に、月々の管理料・抜歯・保定装置の費用まで含まれていますか?
- 予想される治療期間はどれくらいですか?延長した場合、追加費用は発生しますか?
- 一次矯正だけで終わる可能性はありますか?
- 子どもの状態に合う装置は何があり、それぞれの長所・短所は何ですか?
- 装置の破損・紛失時の追加費用、保証条件はどうなっていますか?
相談前に準備しておくと役立つもの
- 学校検診の結果
- 最近の歯科パノラマ画像
- 睡眠・呼吸習慣の記録(口呼吸、いびきなど)
- 家族の咬み合わせ(遺伝傾向)の情報
5.よくある質問(FAQ)
Q. 成長期矯正は何歳から始めるのが一般的ですか?
乳歯から永久歯へ生え変わる 6〜12歳が目安とされます。顎の成長調整を目的とする一次矯正は、顎の成長が多く残る小学校低学年の時期に検討されることが多いです。ただし発育には個人差があるため、開始時期は専門医の診断に基づいて判断するのが安全です。
Q. 成長期矯正と成人矯正の費用差はどのくらい?
一次+二次をすべて行う場合、総額は成人矯正と同程度、またはやや高くなることがあります。ただし成長期に顎の問題を改善できれば、将来的に外科的治療や高難度治療を回避できる可能性があり、長期的には負担が軽くなる場合もあります。
Q. 段階別の費用構造(検査・一次・二次)は?
一般的には、検査費(20〜40万円)、一次矯正(100〜300万円)、二次矯正(300〜800万円)、保定装置(30〜80万円)に分かれます。費用は医院により、総額に含まれる場合と別請求の場合がありますので、項目ごとの内訳を確認することが大切です。
Q. 矯正を先延ばしにすると、後で費用が増えることがありますか?
可能性はあります。特に顎の骨格に問題がある場合、成長期に対応できないと成人後に外科的治療を併用する必要が出ることがあります。心配がある場合は、自己判断で先延ばしにせず、まず専門医の相談を受けるのが最も安全です。

子どもの矯正治療は、費用負担もあり保護者にとって大きな決断です。だからこそ大切なのは、「価格」だけではなく **子どもの健康と将来の負担を減らすための合理的な選択**をすることです。 費用が不安だからといって、必要なタイミング(ゴールデンタイム)を逃さないでください。専門医と相談し、現状と治療計画、段階別の費用内訳を丁寧に確認すれば、十分に納得できる判断につながります。小さな一歩が、お子さまの明るく健やかな未来への第一歩になります。
出典
- Korean Ministry of Health and Welfare (2024).Guide to Dental Treatment and Status of Non-reimbursable Expenses.
- Korean Association of Orthodontists (2023).Guidelines for Growth Phase Orthodontics.
- Proffit, W. R., Fields, H. W., Larson, B., & Sarver, D. M. (2018). Contemporary Orthodontics (6th ed.). Mosby.
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